『ひーばりっ!
明日クラブねぇから、遊び行こう。見たい映画あるんだー』

入ってくるなり唐突にそう告げた山本はとても楽しそうに告げた
まるで雲雀がOKするかの様ないいかた

雲雀は山本に訳が判らないというような視線を投げかけると山本は雲雀の隣りに座って雲雀の顔を覗き込む


『だって雲雀と滅多に遊びに行けないじゃん?
映画ならいいかなって。ほら!』

そう言って出したのは今公開中の犬の出てくる話
それ、ちなみに人気で休日は親子連れで賑わうあれですか...?

『平日なら人少ないし、ひばりーっ!』
『映画なら、天気関係ないんじゃない?』

だって、デートって感じじゃん!とか、山本は訳の判らない事をいってチケットを持った手でお願いと手を合わせる


『委員の仕事、ある』
『そ...そこを何とかっ!』

う゛ーっと悲しそうに言う山本。
雲雀はちらり、とチケットを見た。テレビでしてるのを見て、見てみたいなとは思っていたけれどビデオでいいかとも諦めていたヤツ。
(だって一人で行くにはあまりにも...)
いい口実が出来たと思った方がいいのだろうか?


『全部、奢ってくれるなら、考えとく』
『マジで!?うん、そんな奢れないとは思うけど、奢る!』
『(まぁ、いいか)』


俯いていた顔を一気に上げ、目を輝かせてそういう山本に雲雀は自分自身に呆れると、先ほどまで見ていた本に視線を戻した
『じゃあ明日、放課後、ここで!』そう言って山本は鞄を持つと部活に向かった

(よっぽど早く、雲雀と約束したかったようで)










あと少しかな


雲雀は目の前の時計を眺めながら、そう心の中で呟いた
さっきなった放課後のチャイム
それより少し前に終った書類を片付けずにデスクに座って雲雀は山本を待っていた
(あれの為に早く終わらせたなんて、勘違いされては困る)


あと少し、そう思うと心許なくなって早く来いと毒付く。
山本は放課後といっただけで直ぐ来るとは行ってなかった。でもすぐ来ると思っていた雲雀はまだ来ない山本にむすっと口を尖らせる



おそい

そうはいってもまだ時間は5分しか経ってない
まぁ、元々待つのが嫌いな雲雀にしては、寛大な方だとは思うが。



「はやくしないと帰るよ」

そう呟いてデスクに座り、頬杖をついてじっとしてるとたったった...小さな足音が廊下に響く
雲雀はすこし嬉しそうに頬を緩ませて、さて何を奢らせようかと思考を巡らせた













(...っ)
(ひばり?!(泣いてる!?))
(煩いっ!見るなっ)
(雲雀こういうの苦手?)
(苦手じゃないっ、よ!)
((あーもうそんな涙目でいわれてもなぁ!))
よしよしと撫でる手が気にならないぐらい画面に集中する雲雀
そしてそんなぼろぼろ無く雲雀に集中する山本なのでした





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管理人より
そもそも、榛子提供の写真(背景画像3種)を見てたら、なんだかアニメーションが作れそうね!しかも山ヒバ妄想できそうね!
とmixiの日記に書いたのが始まりでした。
そしたら炬空さんが、この画像に合った小説をくださいました。
で、調子乗ってくっつけてしまったという…あ、すいません!
ありがとうございました!

文章提供:炬空【行き着く先は、地よりも深く。】
写真提供:榛子【sof】

加工:倉林ナオ